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外国子どもの日本語習得の現実<松本のコラム欄>

  • ichijikunoki
  • 18 時間前
  • 読了時間: 2分

 来日当初は日本語がほとんどわからない子どもたちも、1年も学校生活を経験するとある程度の意思疎通ができるようになります。教室で友人たちとおしゃべりをしている姿を見ると、もう日本語面での問題は無いと思われるかも知れません。しかし、母語でない言語(第二言語)で学習ができるようになることとは別のことなのです。


 一般的には、約2年でおしゃべりができるようになると言われていますが、第二 言語で教科学習ができるようになるには、8歳以降に来日した場合は5〜7年、8歳以前に来日した場合には7〜10年かかると言われています。友だちや先生と意思疎通をするために必要な言葉は生活言語、教科学習ために必要な言葉は学習言語と呼ばれます。生活言語がある程度身についてはいるものの、学習言語の習得が不十分なために、学習面で困難を覚える子どもたちは実際に多くいるのです。


 日本語を母語として、日本の学校で教育を受けてきた私たちはあまり意識したこともないのかも知れませんが、生活言語と学習言語の違いが理解できていない場合には、学習に困難が生じることがあります。例えば、小学校2年生の算数の教科書では、三角形の特徴は「3本の直線でかこまれた形」と説明されています。口頭でわかりやすく説明するなら「3本のまっすぐな線と線がくっついている形」ということもできるでしょう。しかし、学校の授業では「直線」や「〜でかこまれた」という言葉を使うことが求められます。また、低学年では「半分にわける」という表現も、学年があがると「等分する」という表現に変化します。これらの表現は、日常生活でのおしゃべりではほぼ使うことがなく、教室での授業でのみ使われる表現です。

 
 
 

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